『同人誌を作りたい!』と思ったことはありますか?
それは一次創作(オリジナル)、二次創作(漫画やアニメ、ゲームなどの原作のあるもの)ですか?
同人誌即売会に行ったことはありますか?
色々な理由から『同人誌』『作り方』のような検索をかけたかもしれません。
作ってみたいけど一体何からすればいいかわからない。
そう思ってる人は結構いるんじゃないでしょうか。
特に、周りに同人活動をしてる人がいない場合はネットで検索するしかありませんよね。
そんな人がこのページを読んで、少しでも興味を持ってくれたらいいなと思いながら、同人活動8年目の私が『同人誌を作るために絶対に必要なこと』という、作業にフォーカスをあてた記事を少しずつ書いていきたいと思います。
私の経験を元に書いているので、実際に行動するときはきちんと自分で再確認してください。
もくじ
内容を考える
まず一番にやらなくてはいけないのは、どんな本を出すかを決めることです。
一次創作と二次創作という言葉はご存知ですか?
上でも少し触れましたが、
一次創作というのは『キャラから全てオリジナルで作った作品』のこと。
二次創作は、『漫画やアニメ、ゲームなどからキャラクターや設定を借りてきてその上で公式にはない新しい作品』を作ることです。
大体です、大体こんな感じです
うちのサイトではこの定義で進めます。
で、それを決めた上で、同人誌にも種類があります。
- 漫画
- イラスト
- 小説
- 写真
- 評論・考察 …etc
作りたいものを自由に作っていいのが同人誌です。もちろん法に触れるものはだめですが、まずは自分の作れるもの、作りたいと思うものを選んでみてください。
そして何について書きたいか、テーマを決めましょう。
イラストなら女の子のイラストが描きたい、ジブリっぽいファンタジーの世界が描きたい、雑誌風の写真集っぽいイラスト本作りたい、などです。
写真なら、被写体を何にするのか。例:アイドルのコスプレ写真
評論・考察なら、歴史や好きなマンガの考察なんかも面白いですよね。
最近見かけて一番面白かったのは、シャーペンの書き心地比較本というものでした。
漫画や小説の場合は、きっと何か描きたいお話があるのだと思います。でも、いきなり内容と言われても難しいかもしれません。
漫画や小説に限らず内容を考えなくてはなりませんが、「内容って・・・?」と思っている人は以下の点を参考にして土台を作ってみてください。
物語を考えるために最低限必要な情報
一次創作の場合
- キャラクターを作る(性別・年齢・容姿・性格…etc)
- 物語のジャンル(恋愛漫画・ファンタジー・SF…etc)
- 世界観(現代・時代劇・全くの非現実な世界…etc)
- どんな話(主人公に何をさせたい)かを決める
二次創作の場合
- 原作を決める
- 物語のジャンル(原作に乗っ取ったもの・if・パロディ…etc)
- 原作から登場人物を決める(原作にいないキャラを作るのも有)
- どんな話(主人公に何をさせたい)かを決める
物語を作る場合、『どんな話(主人公に何をさせたい)かを決める』が一番大変な部分だと思いますが、一番楽しい部分でもあります。頑張ってみてください。
- 同人誌の種類(漫画・小説・写真…など)を決めよう
- どんな話にするかを考える(大筋でOK)
- ここで本の完成形が見えなくても大丈夫!未来の自分がなんとかしてくれる
どのイベントに参加するかを決めて申し込む
さて、出したい本が決まりました!というところまで行ったとします。
本文が完成してなくて全然大丈夫。どんな話にするかが決まったところで同人誌の即売会に申し込みしましょう。
それではどんな即売会があるかを見てみましょう。上げ出したらキリがないので有名なものを紹介します。
一次創作系イベント
- コミックマーケット(東京)
- コミティア(主要都市部)
二次創作系イベント
- コミックマーケット(東京)
- ぷにけっと系イベント(東京)
- 赤ブーブー、青ブーブー系イベント(東京・大阪・福岡など)
- スタジオYOU系イベント(主要都市部)
- 個人開催のオンリーイベント(各地)
色々ありますね。
ほぼ毎週どこかの地域で何かしらの同人誌即売会が開催されていますので、選ぶのは一苦労だと思います。
個人的に初心者にオススメなのは、一次創作なら『コミティア』二次創作なら原作の名前の入ったオンリーイベントがいいのではないかと思います。
同人誌即売会ならコミケでしょ!という気持ちはわかりますが、コミケは規模が大きすぎて慣れていないと周りの様子が分かりませんし、参加費もオンリーイベントに比べると倍以上します。
初めて同人誌を出す場としては少し大変かな〜という印象ですね。
二次創作はイベントが多すぎてわからないという場合、好きな作家さんか同じジャンルの作家さんがいつも参加しているイベントを確認してみてください。
指標なんてそんなものです。
サークル名を考えよう
イベントを決めたら申し込み準備です。
『サークル名』と『ペンネーム』は決めてありますか?
ペンネームは普段ツイッターで使ってる名前で大丈夫です。
サークル名はこれから決めるなら、他の人と被らないもの、長すぎないものを考えるといいかもしれません。
長すぎるものは時々申し込みで文字数制限に引っかかることがあります。特に英字だとあっという間に文字数が増えてしまうので気をつけた方がいいです。
ありきたりな名前は、SNSで宣伝するときに埋もれてしまって検索をするのが難しくなります。
折角サークル名で感想を呟いてくれたのに、埋もれて見つけられないとお互い悲しい結果になりますよね。
申し込みをしよう
サークル名とペンネームが決まったらあとは申し込むだけです。
基本はインターネットから申し込みます。
指示された通りに埋めていくので難しいことはありません。
大体のイベントで書くことは
- サークル名
- ペンネーム
- 個人情報(本名・住所・年齢など)
- 出す本の情報(頒布数、全年齢かなど)
ここに追加で、
一次創作なら
- 本のジャンル(少女漫画、少年漫画、ファンタジー、SF、イラスト、エッセイなど)
二次創作なら
- 登場キャラ
- CP(カップリング)名 ※女性向けなら受け攻めの表記は間違えないように!
という情報を記入しなければなりません。
これは企画者によって書く内容や細かさは変わってきますが、スペースの配置に使う情報なのでできるだけ正確なものを書きましょう。
折角イベントに出たのに、出した本とはジャンルが違ったりやCPが違うスペースに配置されたら居心地が悪いですよね。
できるだけ同じ仲間のたくさんいるところに配置されるよう、情報も正確にしましょう。
「申し込んだ後に書きたいものが変わっちゃった!」
なくはない!!そんなこともある!!
その時は居心地悪いかもしれないけど自分のパッションを信じて頑張れ!!
- 一次創作ならコミティアに参加しよう
- 二次創作なら好きな作家さん(もしくは同じジャンルの作家さん)が参加しているところを確認してみよう
- コミケは実は初心者にはハードルが高い
- 情報記入は正確に!
印刷について
本の規格を考える
本を印刷するということは、本の規格を決めないといけないということです。
- 本のサイズはどうするのか
- ページ数は何ページにするのか
- 印刷はフルカラーにするのかモノクロにするのか
印刷会社に出すにしろ、自分コピーするにしろ、この規格が決まらないと原稿を作り始めることはできません。
本のサイズについて
よく見かける漫画やイラストの同人誌は、B5サイズとA5サイズの2パターンが多いです。 小説の同人誌だとA5かA6(文庫本)サイズになってくると思います。
これは好みがありますし、印刷所に出す場合だと値段にも関わってくる(値段が変わらない場合もある)ので、お財布や印刷所のことを考えて決めてください。
ページ数について
これも書きたい内容次第です。
書きたい物語が長編であれば自ずとページ数は増えますし、そんなに多いページ数は書けないということであれば短くても大丈夫です。
ここでは『本にする』という前提で話しているので最低が8ページになります。
本を作る時、基本は4ページ単位で考えてください。
最低が8ページだとすると、次は12ページ、その次は16ページ、20ページ、24ページ….という風にページ数を増やします。
理由は本の作り方にあります。
ちなみに漫画をみてもらうと分かるんですが、表紙だけ紙が違いますよね。
そして、表紙と裏表紙の裏(ややこしい)は基本白紙になっていて印刷はされてないと思います。
なので、例えば本を作る時本文が16ページだったとすると、表紙4ページ込で20ページの本という計算になります。
印刷費のリストに書いてあるページ数はこの(本文表紙合わせて)20ページのことです。
ページ数が増えてくると融通も利くようになってきますし、印刷所によっては表紙の裏側に印刷できるところもあるので、4ページ毎というのは参考程度に覚えておいてください。
原稿のカラー
これも好みです。
写真集のような被写体を美しく見せたい本の場合はフルカラーの方が魅力的ですが、それだって絶対とはいいませんし、漫画やイラストもモノクロにしなければいけない、フルカラーにしなければいけないという制約はありません。
ページ数よりも印刷費に直結してきます。フルカラー本ってめっちゃ高いんですよ。
でも、やっぱりカラーって見栄えがいいんですよね。見栄えがいいと手に取ってくれる確率も上がりますし、手に取ってもらえるとやっぱり嬉しいですからね。
だから大抵の小説や漫画の同人誌は『表紙だけフルカラー印刷で本文はモノクロ印刷』という印刷の仕方をしています。
イラスト本はフルカラーにしてる方も多いですが、原稿の描き込みも増えますしページ数を減らすなどして対応している人が多いです。
印刷会社と自作の違い
実際に本を作る場合には、印刷会社に頼んで印刷してもらう方法と、自分の家やキンコーズのような印刷機を貸してくれるような場所で原稿をコピーする方法の二種類があります。
印刷会社に印刷を頼む場合
印刷会社に頼むと、もちろん印刷費がかかります。
が、家で印刷するよりも綺麗に印刷できますし、紙も豊富なのでコミック用紙などの専門的な紙を使うことができます。
本は会場に直接届けてくれることもあるので、原稿さえ完成すればかなり完成度の高い本を作ってくれるのが印刷所です。
『オフセット印刷』と『オンデマンド印刷』という言葉を聞いたことがあるかもしれません。何が違うの?というのは自分で検索して欲しいんですが、大雑把に言うと
オフセット | 印刷部数が多いと割安になる。細い線まで綺麗に表現できる。 |
---|---|
オンデマンド | 印刷数に比例して値段が上がるが少ないなら断然お安い。 多少線が滲んだりインクにツヤが出たりするが最近は割と綺麗 |
値段だけで言うと、とある印刷会社では B5サイズ、20ページで
50部 | 100部 | |
オフセット | 31,000円 | 31,500円 |
オンデマンド | 13,900円 | 23,800円 |
表紙オフセ+本文オンデマ | 25,200円 | 35,100円 |
これだけの違いがあります。これは印刷会社によっても違ってくるので色々調べてみてください。
あと、当然印刷には日数がかかります。大体イベント前一週間前後に締め切りがあります。そこまでに原稿を完成させて印刷所にデータを送らなければなりません。
極道印刷は慣れてる人でないとデータミスに繋がるので、初めは余裕入稿で頑張りましょう!
自宅(またはコンビニやキンコーズ)で印刷する場合
コピー本の場合はもっと単純です。自宅で印刷すれば(諸経費はさておき)実質タダです。
コンビニのコピー機でも、モノクロなら一枚10円、みたいな値段設定が決まってますよね。
印刷枚数が増えれば増えるほど値段は上がりますが、ホッチキスで止められる枚数と、手でイベント会場まで持っていける重量を考えるとそこまでお金はかからないでしょう。
そして、締め切りが前日、下手したら当日イベント始まる前までOKという極道入稿の末路とも言えます。
イベント当日の朝、サークル参加の人が「今コンビニで印刷中です!遅刻します!!」みたいなアレです。
コピー機での印刷は、やはり品質が落ちます。
紙のギリギリまで印刷できませんし、印刷も荒くなります。
まだ学生でお金がない人や、初めて作った本で印刷に出すのは勿体無い…と思う人はコピー本で参加してイベントの空気を味わうのはアリだと思います。
本にするだけで偉いよ!!!自信持って!!
でも当日朝に慌てて印刷するのはミスの元なので余裕を持とうね!!
- 原稿を作り始める前に印刷の規格を決めよう
- どういった印刷にするかはお財布と相談
- 極道入稿をするつもりでコピー本を選ぶと地獄を見る
印刷会社を選ぶヒント
印刷会社に頼むのなら、イベントと協賛の印刷会社というものもあります。
イベントの企画サイトを見ると、協賛の印刷会社がどこかに載っていると思います。
もし見つけられない場合は、印刷会社のホームページに載っているのでそちらから確認してみてください。
協賛の印刷会社は、そのイベントで優遇措置をしてくれていることが多いです。 例えば、イベント会場に本を直接搬入してくれたり、割引や締め切りの優遇があることも。
印刷会社は選び出したらキリがないですが、そういったところから探して見るのも一つの手ですね。私の周りで使っている人が多い印刷会社を数個上げておくので、どんなことが載っているのかを確認してみてください。
原稿の締め切りは何日前か(繁忙期によって変動有)、印刷をお願いするのに予約は必要か、表紙と本文は同時入稿でいいのかなど、それぞれのやり方があるので印刷所を決めたら事前にきちんと確認しましょう。
<参考印刷会社>
その他
印刷所が決まったら(コピーならそれでOK)、あとは本文を完成させましょう。
この後は、イベントの3週間くらい前にイベントの運営からサークルチケットが届きます。 中身の確認をして、もし家から送りたいものがあれば宅配搬入の項目を確認しましょう。『何日前までに届くように』という注意書きがありますので忘れないようにしてください。
そこまでやったら、いよいよイベント目前です。
作った本の宣伝や、告知はSNSでガンガン発信しましょうね。
折角作ったんですからたくさんの人に手に取ってもらいましょう!!
これをやるかやらないかで結構違ってきます。
頑張って!! それでは、同人誌を作りたい作家諸君の健闘を祈ります。
終わりに
というわけで、『同人誌を作ってみたいと思った時にまずやること編』はここまでです。 即売会に参加する流れはわかりましたか?
これは私が友達に聞かれたら、というのを想定して書いている記事です。
もしかしたら足りないところとかもあるかもしれないので、申し込む時や印刷を頼む際などはきちんと自分で確認してくださいね。
ここまで読んで、「もしかしたら自分でも同人誌作って即売会出れるかも!」と思ってもらえたら一番嬉しいんですけど、何よりも大事なのは作ってみるということだと思います。
クオリティのことなんかまず置いておいて、やりたいと思った気持ちを大事にしてください。
一冊出したらこっちのもんです。
それではここまで!
お付き合いいただきありがとうございました!